格付が金融機関に与える影響

ここまでで、格付について、その内容や算出手法、見方について概要を見てきました。

ここでは、この格付が変更されることで、金融機関にどのような影響が生じるのか、概要を紹介しています。

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格下げが金融機関に与える影響

格付は財務の健全性の目安ですが、これは様々な場面で使われたり、影響が発生したります。ここでは、金融機関に特徴的な影響の概要を紹介しています。

資金調達コストの増加

例えば、貸出金利や債券の金利などは、より格付が低い企業ほど高くなります

つまり、格下げされると、お金を借りる金利が上がるため、資金調達コストが上昇し、財務健全性に悪影響を及ぼします。また、格下げが進むと、金利が高くても、どこからもお金を調達することができず、倒産リスクが高まります。

カウンターパーティーリスクの増加

デリバティブなどの相対契約を結ぶ場合に、相手がきちんと契約を履行してくれるかのリスクカウンターパーティーリスク)を負うこととなります。

そこで、一方だけが著しく高いリスクを負うのはフェアではないので、例えば格下げが行われた場合には、事前に担保を差し出す(CSA契約を締結する)ことを、事前に取り決めておくことが多々あります。つまり、格下げが起きた場合、突然多額の担保が必要なり、資金繰りが悪化したり、運用できる資金が減ることで収益性が悪化するリスクが高まる可能性がある訳です。

なお、担保差し入れ等で済むのはまだ良い方です。金融機関は、短期的な資金需要に対応するため、期間の短い資金貸し借りの市場(インターバンク市場)で、日々とんでもなく多額の資金のやりとりをし、お互いにお金の融通をしあっています。ところが、格付が低下し、カウンターパーティーリスクが高まると、資金が返済されないのではという懸念が大きくなり、誰も取引に応じてくれず、短期的な資金の支払いにすら応じることができずに、突然倒産というリスクもある訳です。(リーマンショック後の金融機関の株価の下落などの本質は、カウンターパーティーリスクの増加と言われています。)

風評リスクの増加

上記に加え、例えば、ニュースなどで、格下げにより「○○證券」が倒産、銀行に合併か?など騒がれてしまうリスクがあります。

金融市場の動向や、実態の把握は、専門家でも難しい部分があり、一般の人にとっては、話題先行となってしまいやすいのです。しかし、話題とはいえ、多くの人が「危険だ」という話を信じてしまうと、取り付け騒ぎがおこったり、現実的に倒産もあり得るので、楽観していいことではありません。

風評リスクの増加により、現実的には、まだその段階になくても、根も葉もないうわさで、株価が下落したり、取引先に警戒されたり、お客さんが離れたりといったリスクが実際に生じ得る訳です。

実際に、野村證券が2011年11月頃に、合併か?と騒がれて、実際に株式市場や債券市場で少しとは言えない影響が出ていたのは記憶に新しいところです。(根も葉もないとは、言い切れないのですが。。)

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